「ハリとお灸の治療室」について
可視総合光線療法(コーケントー)ってなに?
可視総合光線療法(コーケントー)とは
可視総合光線療法は、治療用のカーボン電極を用いて発生させた光(炭素弧光)と輻射温熱を、症状や体調に応じて体表に照射する補助的な治療法です。
照射される光線は、紫外線・可視光線・赤外線を含む連続したフルスペクトル光で、太陽光に近い性質を持っています。一方で、人体への影響が懸念される短波長の強い紫外線はほとんど含まれておらず、安全性に配慮された光線構成となっています。
光刺激と温熱刺激が同時に加わることで、血流や代謝に穏やかな変化をもたらし、生体に本来備わっている調整機能が働きやすい状態を整えることを目的として用いられています。
太陽光と人間のからだ
人間を含むすべての生物は、紫外線・可視光線・赤外線が統合された太陽光の環境下で進化してきました。
太陽光は、生体リズムの形成、ホルモン分泌の調整、免疫機能の維持など、生命活動のさまざまな側面に関与していることが知られています。
しかし現代では、生活様式の変化により日中でも屋内で過ごす時間が長くなり、病気や高齢、体調不良などの理由から、十分に日光を浴びることが難しい方も少なくありません。
可視総合光線療法は、このような現代環境において不足しがちな太陽光の要素を、治療的に、かつ安全に補う手段のひとつとして位置づけられています。
主な生理学的作用
● 血行促進・温熱作用
可視光線および赤外線による温熱効果により血管の拡張が促され、全身の血液循環が改善しやすくなります。
これにより、冷えや筋緊張の緩和、組織への酸素や栄養供給のサポートが期待されます。
● 自律神経調整作用
光刺激は、自律神経系のバランス調整に関与すると考えられており、過度な緊張状態を和らげる方向に働くことが報告されています。
睡眠の質の低下、慢性的な疲労感、ストレス関連症状などに対する体調管理の一環として用いられます。
● 免疫機能のサポート
血流の改善や体温の上昇により、粘膜機能や白血球の働きが保たれやすくなり、免疫機能が発揮されやすい体内環境づくりに寄与すると考えられています。
光化学作用とビタミンD
可視総合光線に含まれる微量の紫外線や短波長可視光は、皮膚において光化学反応を引き起こし、ビタミンDなどの生理活性物質の産生に関与します。
ビタミンDは、骨代謝のみならず、免疫機能、筋機能、細胞増殖の調整など、全身の恒常性維持に関与することが知られており、体調管理の観点からも重要な役割を担っています。
補助療法としての位置づけ
可視総合光線療法(コーケントー)は、がんや慢性疾患そのものを直接治療することを目的としたものではありません。
しかし、医療機関で行われる標準治療を尊重した上で、その治療過程における体調管理や生活の質(Quality of Life:QOL)の維持・向上を目的とした補助的療法として効果的です。
また、鍼灸治療と併用することで、血流改善や自律神経調整といった作用が相互に働き、全身の回復環境を整える一助となることが期待されます。
可視総合光線療法(コーケントー)は、ご自宅でも使える身近な治療法です。
一方で、症状や体調に合わせた照射部位や照射時間の調整には、専門的な知識と経験が必要になります。
当院では、財団附属診療所にて実施される実践的な研修を修了し、臨床現場での光線照射や治療実習を通して、安全で効果的な使い方を学んでいます。ご自宅でのケアを大切にしつつ、より専門的な光線療法を受けたい方には治療室での施術をおすすめしています。
詳しくは、光線研究所HPをご覧ください。https://kousenkenkyuusho.or.jp/



