「ハリとお灸の治療室」について
当院の鍼灸治療について
当院の鍼灸治療について
当院では、古典鍼灸(伝統鍼灸)と現代鍼灸、両方の考え方を大切にした治療を行っています。どちらか一方に偏るのではなく、お一人おひとりの体質や症状、その日の体調に合わせて、最適な方法を選びます。
古典鍼灸は、2000年以上前の医学書『黄帝内経』『難経』を基に、病気や不調を身体全体のバランス(五臓六腑・経絡・気の流れ)の乱れとして捉えます。
脈やお腹の状態を丁寧に診ながら、ハリやお灸で、自然治癒力を引き出し、体質そのものを整えていく治療です。
一方、現代鍼灸では、筋肉や神経の状態を考慮し、痛みやこりの原因となっている部位へ直接アプローチすることができます。そのため得気(とっき)と言う重く少しだるくなるような独特の感覚があります。症状がはっきりしている場合や、早めの変化が必要な場合には、この方法が効果的なこともあります。
施術には、皮膚に刺さない「鍉鍼(ていしん)」を多く使用しています。
当てる・なでる・軽く押すといったやさしい刺激で、痛みはほとんどなく、鍼が初めての方や刺激に敏感な方にも安心して受けていただけます。
通常の鍼(ディスポーザブル)も使用しますが、症状に応じて使い分けています。
ハリによる痛みを我慢することは身体に負担をかけることにもなりかねませんので、必ず「痛くないか」「つらくないか」を確認しながら施術しています。
我慢せずに、気になることや心配なことがありましたら、施術中でもいつでもお声かけ下さい😊
こんなお灸やってます☺️
お灸は、ヨモギの葉から作られたもぐさを使い体表のツボ(経穴)に温熱刺激を与える治療法です。体を内側から温め、血流や自律神経の働きを整えることで、体が本来持っている回復力を引き出します。
当院では透熱灸(とうねつきゅう)という種類のお灸をしています。透熱灸は、米粒ほどの小さなもぐさをツボの上に据え、お線香で火をつけて行うお灸です。
一瞬チリッとした熱を感じることがありますが、熱を感じるのは短時間です。
「すこし熱くてキモチいい」加減がベストです。必ず説明をしながら調節しますのでご安心ください。冷えや血流の低下、機能の低下がみられる部位に対し温熱刺激を加えることで、
①血流の改善
②筋肉の緊張緩和
③自律神経のバランス調整
などの効果が期待できます。
体質・体力・皮膚の状態を考慮し、使用するツボや刺激量を調整し、完全オーダーメイドの治療方法です。
お灸に対して「熱そう」「跡が残りそう」と不安を感じる方もいらっしゃいますが、初めての方でも安心して受けていただけるよう、施術前に十分な説明を行い、無理のない施術を心がけています。
鍼灸治療とがん治療
がん治療における鍼灸治療の効果について
鍼灸治療は、がんそのものを治す治療ではありませんが、がん治療を支える補完療法として世界的に研究が進められています。
主に、がん治療に伴うさまざまな不調や副作用を和らげ、生活の質(QOL)を高めることを目的として用いられています。
1.がん治療に伴う症状への効果
これまでの研究では、鍼灸治療が次のような症状に対して改善の可能性を示しています。
①がんに伴う痛み
②化学療法による吐き気・嘔吐
③強い疲労感(がん関連疲労)
④不眠や不安感
⑤末梢神経障害(手足のしびれ など)
近年の系統的レビューやメタアナリシス(複数の研究を統合して評価する方法)では、がん関連の痛みに対して鍼灸が有効である可能性が示唆されています。
また、化学療法中の吐き気や嘔吐、不安や睡眠障害などについても、症状の軽減が報告されています。
2.エビデンスの現状について
一方で、がん治療における鍼灸の研究は、
①研究規模が小さい
②対象となるがんの種類や症状が多様
③研究方法にばらつきがある
といった課題もあり、すべての効果が確立されたエビデンスとして証明されているわけではありません。
そのため、鍼灸治療は
「がんを治す治療」ではなく、「標準治療を補い、患者さんのつらさを軽減するための治療」
として位置づけられています。
3.安全性について
鍼灸治療は、適切な知識と技術を持つ施術者が行う場合、比較的安全性の高い治療法とされています。
がん患者さんを対象とした研究においても、重篤な副作用はまれであると報告されています。
ただし、
①血液疾患や出血しやすい状態
②感染リスクが高い時期
③体力が著しく低下している場合
などでは注意が必要なため、主治医との連携や情報共有が重要です。
当院では、鍼灸治療を
がん治療を受ける方の「つらさを和らげ、心と体を整えるためのサポート」
として位置づけ、西洋医学による標準治療を尊重しながら、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、無理のない、安全性を重視した鍼灸治療を行っています。
可視総合光線療法(コーケントー)ってなに?
可視総合光線療法(コーケントー)とは
可視総合光線療法は、治療用のカーボン電極を用いて発生させた光(炭素弧光)と輻射温熱を、症状や体調に応じて体表に照射する補助的な治療法です。
照射される光線は、紫外線・可視光線・赤外線を含む連続したフルスペクトル光で、太陽光に近い性質を持っています。一方で、人体への影響が懸念される短波長の強い紫外線はほとんど含まれておらず、安全性に配慮された光線構成となっています。
光刺激と温熱刺激が同時に加わることで、血流や代謝に穏やかな変化をもたらし、生体に本来備わっている調整機能が働きやすい状態を整えることを目的として用いられています。
太陽光と人間のからだ
人間を含むすべての生物は、紫外線・可視光線・赤外線が統合された太陽光の環境下で進化してきました。
太陽光は、生体リズムの形成、ホルモン分泌の調整、免疫機能の維持など、生命活動のさまざまな側面に関与していることが知られています。
しかし現代では、生活様式の変化により日中でも屋内で過ごす時間が長くなり、病気や高齢、体調不良などの理由から、十分に日光を浴びることが難しい方も少なくありません。
可視総合光線療法は、このような現代環境において不足しがちな太陽光の要素を、治療的に、かつ安全に補う手段のひとつとして位置づけられています。
主な生理学的作用
● 血行促進・温熱作用
可視光線および赤外線による温熱効果により血管の拡張が促され、全身の血液循環が改善しやすくなります。
これにより、冷えや筋緊張の緩和、組織への酸素や栄養供給のサポートが期待されます。
● 自律神経調整作用
光刺激は、自律神経系のバランス調整に関与すると考えられており、過度な緊張状態を和らげる方向に働くことが報告されています。
睡眠の質の低下、慢性的な疲労感、ストレス関連症状などに対する体調管理の一環として用いられます。
● 免疫機能のサポート
血流の改善や体温の上昇により、粘膜機能や白血球の働きが保たれやすくなり、免疫機能が発揮されやすい体内環境づくりに寄与すると考えられています。
光化学作用とビタミンD
可視総合光線に含まれる微量の紫外線や短波長可視光は、皮膚において光化学反応を引き起こし、ビタミンDなどの生理活性物質の産生に関与します。
ビタミンDは、骨代謝のみならず、免疫機能、筋機能、細胞増殖の調整など、全身の恒常性維持に関与することが知られており、体調管理の観点からも重要な役割を担っています。
補助療法としての位置づけ
可視総合光線療法(コーケントー)は、がんや慢性疾患そのものを直接治療することを目的としたものではありません。
しかし、医療機関で行われる標準治療を尊重した上で、その治療過程における体調管理や生活の質(Quality of Life:QOL)の維持・向上を目的とした補助的療法として効果的です。
また、鍼灸治療と併用することで、血流改善や自律神経調整といった作用が相互に働き、全身の回復環境を整える一助となることが期待されます。
可視総合光線療法(コーケントー)は、ご自宅でも使える身近な治療法です。
一方で、症状や体調に合わせた照射部位や照射時間の調整には、専門的な知識と経験が必要になります。
当院では、財団附属診療所にて実施される実践的な研修を修了し、臨床現場での光線照射や治療実習を通して、安全で効果的な使い方を学んでいます。ご自宅でのケアを大切にしつつ、より専門的な光線療法を受けたい方には治療室での施術をおすすめしています。
詳しくは、光線研究所HPをご覧ください。https://kousenkenkyuusho.or.jp/








